景虎さんは私の身体で爪を研ぐ。
大体は足からお尻で、座っていれば背中でも、パリンパリンとリズミカルにピアノでも弾くようにうっとりと人の身体で爪を研いでいる。
市販の爪とぎは一切使わない。
寝室に入れるようになってからはベッドのマットレスで研ぐことがたまにあるが、基本的には私で研ぐ。
小さな頃はカリカリッと真似っこをするなどして、これからきちんと市販の爪研ぎを使ってくれそうな期待があった。

そうならなかった分岐点に思えるのは、ノミ騒動の時捨てるつもりで押入れから出したクッションの存在だ。
ウレタンの入ったワッフル素材の布地のクッションは爪のかかりが良かったのか、いつの間にかこのクッションでしか爪を研がないようになっていた。

猫を飼うにあたり家中ボロボロになるのを警戒していた私としては、捨てるつもりだったクッションで済むならと特に気にしていなかった。
猫によって好みがあるというし、ボロくなったら似たようなクッションを買ってあげようかとのんきに考えていた。
当時は身体の方は甘えたい時だけで可愛かったし、何より家具や壁紙など他のところでは一切爪とぎをしないのでそのまま放置してしまっていた。
そのうち何故かクッションでは全く研ぐことが無くなり、私の身体でのみ研ぐのが日常になってしまったのだ!
体が大きくなって研ぎにくくなったのかと、お気に入りだったクッションを立ててみたり別の場所に置いてみたり色々工夫したのだが、今となっては見向きもしない。
景虎さんは爪切りにはあまり苦労がなかったので、服の上からなら痛くも無いしまあいいかと毎日好きにさせていた。

しかし最近爪切りができていなかったのでひどい目にあっている。

痛い!刺さる!とにかく痛い!(泣)
今までは寝ている時にそっと切ったり、膝の上でゴロゴロしている時に爪切りタイムを設けて伸びる前に爪切りができていた。
ところが冬になってからは丸籠や炬燵の中で昼寝をするので寝ている時にはなかなかチャンスが無く、膝の上でも丸くなることが多い上に抵抗するようになってしまい、うまく爪を切ることができずにキンキンに伸びてしまったのだ。
今更爪研ぎのしつけに挑戦すべく友人にもらったまたたびスプレーを試したものの今のところ効果が無く・・重ね着で防御しながら(あるいは噛まれながら)隙を見つけては1本ずつ爪切りを頑張っている状態である。
布系が好きなのかとコットンロープで選んだキャットタワーの柱にまたたびスプレーをして、手を添えて爪とぎの真似をしてみたりもしたが、舐めたり悶えたりしただけだった・・。
最近私は彼をキンキン丸と呼んでいる。

爪切りか爪研ぎ、どちらか一方だけでも何とかしたい。
ブスッと突き刺さってくるので本当に痛い。